ツール ド フランス 井上六郎の現地レポート   ツール ド フランス 井上六郎の現地レポート


2012年7月24日 (火)

兵どもが夢のあと…

20stb
パレードが終わり、ひと気のないシャンゼリゼを歩く。

このフィナーレで私も3週間の出来事がこみ上げて来るものだが、
06年のランディスの事件以来は、
それをサラッと虚しいものにしてくれるのだけは、
勘弁してくれよ、と付け足しながら遠く凱旋門を眺める。

いやいや、今や95年から来ているツールの思いすら、
虚しいものと化する恐れもある。

でも、これが「ツール・ド・フランス」。

7月 24 2012 2012 Tour de France | | コメント (2)

パリへの凱旋、2012のツールが終わった

19ステージのTTでフィニッシュとなったシャルトルから北に行った、
ランブイエという郊外の街から午後2:00、いつもより遅いスタート。
気持ちよく晴れ渡り、気温も上がる。おそらく30℃ぐらい。

決められたパレード区間を終えてもアタックする選手は出てこず、
ゆっくりサイクリングペースでパリに向かって走る。

この光景は最終日の恒例で、マイヨ・ジョーヌのチームを先頭にして、
シャンゼリゼまで凱旋するのだ。

シャンゼリゼの周回コースは1周6km。
今年は8周回でフィナーレとなるが、周回コースへ入るころには、
最後に勝利を得ようと、また見せ場ぐらいは作ろうと、
アタックする選手が出てきた。

11人の逃げが決まるが、周回後半にかけて、
後続集団の追い上げは勢いを増し、結局つかまってしまう。

最終日、パリのステージ勝利のために3週間走ってきたという、
マーク・カベンディシュ擁するチームスカイのメンバーが、
次々に先頭引っ張り、マイヨ・ジョーヌのウィギンスまでも
彼のためにアシストへ回った。

このチームスカイの隙のない連携プレーで、
4年連続、パリのステージ優勝を、
最後は自身の見事なスプリントでカベンディシュが奪取した。

ウィギンスも難なくゴールラインを通過し、
99回の歴史でツール初制覇をイギリスにもたらした。

昨年、エバンスが総合優勝を決めた時は、
多くのオーストラリア国旗を目にしたパリだったが、
この日のユニオンジャックの数はそれに及ばない数だった。
地の利もあるはずだが、カベンディシュのステージ勝利に、
続いて開催されるロンドン五輪。

イギリス人の盛り上がりは最高潮に達している。

20st

7月 24 2012 2012 Tour de France | | コメント (0)

2012年7月22日 (日)

最終日前日、恒例の個人タイムトライアル

第19ステージはパリからおよ90Km程離れたボヌバルという小さな町から、
同じくパリから60Km程のシャルトルまでの53.5Kmの個人TT。

パリへ凱旋するステージでトップの総合順位が入れ替わることはまずなく、
実際のところ、順位確定を決する最後の勝負となる。

マイヨジョーヌ(総合1位)のブラッドリー・ウィギンス(スカイ・イギリス)が
9ステージの個人タイムトライアルに続いてステージ2勝目を挙げ、
ツール初優勝、99回の歴史で初めてイギリスに優勝をもたらす、王手をかけた。

ステージ2位にはスカイの同僚であり、
今回のツールでウィギンスの絶大なるアシスト役を果たした、
同じイギリス人のクリス・フルームが入った。

ふたを開けてみれば、前半戦終了時点でのライバルたちの脱落で、
このまま無事のパリを終えれば、完勝と言える総合優勝だ。

この勝利のために相当の準備をしてきたと述べるウィギンスとチームスカイ。
際立った勝利はお見事、といいたいところだが、
これまでのことが頭をよぎるのも事実で…、
圧勝の凄さよりも心配の方が先立つのが、これまたツール。
パリのスタートは数時間後。

19st

7月 22 2012 2012 Tour de France | | コメント (0)

2012年7月21日 (土)

第18ステージ、パリを除いて最後のラインレース

18st

逃げの16人。ステージ優勝を狙い、そのチャンスを伺っていた新城だった

第18ステージ、ブラニャックからブリベ・ラ・ガイヤルドまでの222.5Km。

トゥールーズ郊外、空港すぐのブラニャックから一路北上。
完全平地ではなく途中、3、4級のの山岳峠があり、
その特性を使って逃げを試みる選手が出てくるだろう。

前半はその逃げを形成しようとアタックの応酬だったが、
16人の逃げのきっかけを作ったのは、またもわれらが新城だった。

しかし、この日は後続集団が逃げをたやすくは許さなかった。
3分半ほどの時間差をコントロールしながら、
後半にかけて徐々にその差を埋めていく。

このあと、逃げ組の分散や追走集団からの数人の合流があったが、
最後の締めはゴールスプリントの勝負へ。

ゴールスプリントの代名詞的存在、マーク・カベンディシュ(スカイ・イギリス)が、
他を圧倒させる飛び出しで難なく今ツール2勝目を挙げた。

この日のスプリントはマイヨ・ジョーヌ着る、ウィギンスら、
チームメンバーのアシストもあったのだが、
前半ステージでも見られなかった豪快なものだった。

フィニッシュや、その数キロ前にちょっとした丘を設定するなど、
平地ステージとはいえ、今年のコースは単なる平地ゴールではない
変化に富んだコースであったと振り返られる。

フィニッシュのブリベは、私が始めてツールを訪れた95年にも来ている。
フランスのまっ真ん中のど田舎にある街、
というイメージをそれ以来持っていたが、
旧市街を抜けると、フランス全般にいえるのだが、
郊外型店舗の急速な発展が見られ、垢抜けきれずに、
形の変わって行く様が見られた。
数週間の旅でも感じられる利便性の向上は、
カンタンさをもたらすものの、寂しさもやや感じるところだ。

7月 21 2012 2012 Tour de France | | コメント (0)

2012年7月20日 (金)

最後の山場、ピレネー最終日

17st

第17ステージはバニエール・ド・ルションから
スキーリゾートのペラギュードの143.5km。
今年のツール、最後の山場となる。

18日の晴天とは変わり、低い雲に覆われて前半の峠では霧の中だ。

最初の峠から積極的に動いた、
アレハンドロ・バルベルデ(モビスター・スペイン)が
フィニッシュとなる1級峠からふたつ手前のバレス峠で独走に成功し、
そのままゴールラインを切った。

ドーピングでの出場停止期間を経ての復帰、その後の低迷や、
年齢経過でスペインの強豪であったバルベルデも影の薄い存在だった。

今年最後のチャンスを生かしたこの勝利をもってして、
その存在をアピールした。

総合上位は変わらないが、ウィギンスとフルームから遅れてゴールした
総合3位のニバリはタイムをロス。逆転の可能性を難しくした。

ピレネー山岳ステージとくれば、
バスク人の大応援団が一際目だっていたものだった。
でもそれも何年か前の話。

バスク人が描いたイラストのワンポイントの入るオレンジ色のTシャツが配られ、
それを着て応援することで彼らのアイデンティティが統一されていた。

しかし、ここ数年、Tシャツの配給が止まったようで、
オレンジ色の応援団の数が激減。バスク人はいるにはいるが、
彼らのアイデンティティが薄れていた。

一見して盛り上がる山岳ステージだが、
全体的に観客数が減っているように感じるこのごろのツール。
やはり、経済状況の影響なのか…。

さて、Marioさま、コメントをくださりありがとうございます。
今年のツールも残すところ3日。
勝負どころを終えて、消化ステージの気配漂いますが、
また覗きに来てください。

7月 20 2012 2012 Tour de France | | コメント (0)